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法務
2024/03/25

ベトナム労働法の徹底解説【第4回 外国人の労働について】

ベトナム労働法の徹底解説【第4回 外国人の労働について】
(1)労働許可証 外国人がベトナムで就労するためには、原則として就労開始前に労働許可証を取得する必要があります。期間は最大2年です。 ベトナム国内で外国人を採用する場合には、政府機関による承認を得る必要があります。労働許可証を所持せず就労していた場合には当該外国人が国外退去となるほか、使用者側も処罰の対象となります。 ただし、有限会社の出資者・所有者(30億VDN以上)、株式会社の取締役会の構成員、生産または経営に影響を与えるまたはその恐れのある問題を処理するために3ヶ月未満滞在する者ベトナムで弁護業許可証の発給を受けた外国人弁護士、ベトナム人配偶者がいてベトナムで生活する者、短期滞在者(1回あたり30日未満かつ年間3回までかつ管理者・社長・専門家・技術者に該当する者、WTOコミットメントの11サービス業種における企業内人事異動による外国人労働者等は労働許可証取得を免除されます。このような例外にあたる場合には、勤務開始の3日前までに管轄労働当局に対して氏名、年齢、国籍、パスポート番号、雇用者の名称、勤務の開始日と終了日を通知することで足ります。   (2)強制社会保険の加入 労働許可証を持ち、使用者との間で無期労働契約を締結する者は、強制社会保険の加入対象となります。 もっとも、外国からの企業内人事異動の対象者、定年に達した労働者については強制社会保険加入の対象外となります。   (3)日本人駐在員含む外国人がベトナム労働法の適用対象となるか ベトナムの労働法がいかなる場合に適用されるのかという点を定める国際私法はベトナムの関係法令上には直接定められていませんが、労働法の公法的性質によれば、労働者の勤務地がベトナム国内であればベトナム労働法の適用対象となると考えられます。日本において契約を結んでいる場合には、日本の労働法との重畳適用になる可能性もあります。    
法務
2024/03/23

ベトナム労働法の徹底解説【第3回 女性保護】

ベトナム労働法の徹底解説【第3回 女性保護】
女性保護 (1)産休・育休 女性労働者は、出産前後で6ヶ月の産休が付与されます。出産前の休業については、法律上2ヶ月を超えてはならないとの制限もあります(労働法139条1項) 上記の女性労働者が4ヶ月間失業した後においては、①労働者と会社の合意、②認定された医療機関の医師からの承認(診断書等の取得)を条件として、早期に職場復帰することができます。 他にも、女性労働者には、出産前検診のための原則5日間の休暇、出産後の健康状態に問題がある場合には、5日〜10日の範囲で健康回復・リハビリのための休暇をとることが認められています。 なお、男性労働者も妻の出産の際には、原則として5日間の休暇をとることが可能です。   (2)その他女性労働者の保護 ・妊娠後7ヶ月目以降の労働者(高地などの特定の場所なら6ヶ月)や12ヶ月未満の子を養育中の女性労働者に対して、深夜労働、時間外労働、長距離出張をさせることはできません(労働法137条1項)。 ・危険な業務、または生殖能力や妊娠中の子の発育に悪影響を与える業務に従事している労働者は、会社に通知することにより、12ヶ月未満の子の養育期間が終了するまで、賃金等は従前のまま、より安全な業務に異動するか、1日の労働時間を1時間短縮するよう要求できます(労働法137条2項)。 ・会社は、結婚、妊娠、産休、12ヶ月未満の子の養育を理由として、当該労働者を解雇または一方的に契約の終了をすることはできません(労働法137条3項)。 ・生理期間中は1日30分、12ヶ月未満の子の養育中は1日60分の有給の休憩をとることができます(労働法137条4項)。 ・懲戒該当事由があったとしても、妊娠中、産休中、または12ヶ月未満の労働者に対しては、懲戒処分を行うことができません(労働法122条4項d号)。
法務
2024/03/22

ベトナム労働法の徹底解説【第2回 日々の労務管理に関するあれこれ】

ベトナム労働法の徹底解説【第2回 日々の労務管理に関するあれこれ】
日々の労務管理 (1)就業規則の作成、周知 労働者を10人以上雇用する使用者については、就業規則を地方労働当局に登録する義務があります。この場合、登録してから15日後に効力が発生します。なお、支店などの他の拠点がある場合、その地点を管轄する当局に対しても就業規則の送付が必要な場合があるので注意が必要です。 10人未満の場合は登録不要です。この場合、就業規則に基づく使用者の決定によって効力が発生します。 支店などの他の拠点がある場合、その地点を管轄する当局に対しても就業規則の送付が必要な場合があるので注意が必要です。 内容としては、労働時間や就労場所など多岐にわたりますが、セクシャルハラスメント防止措置などの記載義務があることに注意が必要です。また、異動に関する事項や懲戒を行うための根拠として懲戒処分の権限を有する者等も記載しておく必要があります。 また、労働組合がある場合には労働組合の意見を聴取しなければならず、聴取しない場合には罰金が課される可能性があります。また、就業規則を従業員に周知した上で閲覧できる状態におく必要があり、これに反した場合も罰金が課される可能性があります。   (2)労働時間 上限は1日8時間及び週48時間です。 6時間連続勤務の場合には最低30分(深夜なら45分)の休憩が必要で、休憩時間は労働時間に含まれます(労働法109条)。 合意があれば時間外労働も可能ですが、1日の労働時間の50%、1ヶ月で40時間、1年間で200時間を超えてはなりません(「特別な場合」(※)には1年間300時間まで時間外労働が認められる場合もあります)。 合意の有無については厳格に判断されるようになってきており、使用者は(1)時間外労働を行うこと、(2)時間外労働を行う場所、(3)その労働時間のそれぞれについて、従業員の同意を得なければなりません。また、時間外労働が開始された後15日以内に、地方の労働管理当局に書面で通知を送付しなければならないことにも注意が必要です。 ※300時間/年が認められる「特別な場合」 ・輸出のための繊維製品、衣料品、皮製品、靴製品、農林水産品、電気・電子製品、塩製品の製造および加工を行う場合 ・発電、電力供給、通信、石油精製、給排水を行う企業 ・高度な専門性または技術が求められる仕事であり、労働市場が十分かつ速やかに労働者を供給できない業務 ・原材料の季節性や時期により遅延できない緊急の業務の処理、または気候、天災、火災、戦争、電力不足・原材料不足・生産ラインの技術的問題による予期せぬ原因によって生じた状況を解決するための業務の処理 ・政府が定めるその他の場合   (3)時間外勤務手当 通常勤務日の時給をAとした場合、 ・平日時間外勤務 給与はA×150%以上 ・週休日勤務の場合 A×200%以上 ・祝日及び有給休暇日勤務の場合 A×300%以上 ・勤務時間内の深夜勤務(22時〜6時)の場合 A×130%以上 ・通常勤務日における勤務時間外の深夜勤務の場合 A×210%以上 ・週休日の時間外深夜勤務の場合 A×270%以上 ・祝日及び有給休暇日の時間外深夜勤務の場合 A×390%以上 時間外勤務の計算方法を労働協約で合意しておくとトラブルを未然に防ぐことができる場合もあります。   (4)休日 毎週一日以上の週休日が必要です。日曜日またはその他の特定日が必要になります。ただし、職務の性質により、週休をとることが不可能な場合には、1ヶ月に平均4日以上の休日が必要になります。 祝日は計11日あり(※)ます。祝日が週休日と重なった場合、労働者には振替休日をとる権利が与えられます。 ※ベトナムの法定休日(労働法112条1項・2項) ・太陽暦の正月:1日(1月1日) ・旧暦の正月:5日 ・戦勝記念日:1日(4月30日) ・国際メーデー:1日(5月1日) ・建国記念日:2日(9月2日とその前後のいずれか1日、毎年政府が前後のいずれかになるか決定します)。 ・フン王の命日:1日(旧暦の3月1日) ・外国人については、出身国の正月に1日、建国記念日に1日、さらに休暇が追加されます。   (5)年次有給休暇 年次有給休暇は、勤続12ヶ月以上につき原則として12日間(12ヶ月未満の場合は月割)になります。以後、5年勤続ごとに1日ずつ追加されます。また、未消化の有給休暇の買い取りについては、退職と失業の場合のみとなっています。 (6)冠婚葬祭に関わる休暇 慶弔休暇は以下のような場合に認められています(労働法115条1項) 有給休暇 結婚:3日の休日 実子、養子の結婚:1日の休日 実父母、養父母、義理の養父母、配偶者、実子、養子の死亡:3日の休日 無給休暇 父方の祖父母、母方の祖父母、兄弟姉妹の死亡、父または母の結婚、兄弟姉妹の結婚:1日   (7)傷病休暇 ベトナムにも類似の制度が存在します。以下に定める者は、傷病休暇を取得することができ、また社会保険給付を受けることができます。 労災に当たらない病気または事故により休暇をとる者で、指定の医療機関が発行する診 断書等必要な書類を取得した者 7歳未満の子供を看病するために休暇をとる者で、指定の医療機関が発行する診断書等 必要な書類を取得した者 産休が満了する前に職場復帰した女性労働者で、上記の①②のいずれかに該当する者   (8)賃金 最低賃金は2023年時点で3,25,0000~4,680,000(VND/月)です。ただし、変動することも多いので注意が必要です。また、社内労働組合の意見聴取をした上で賃金テーブルを作成する義務があります。 賞与の支給は法律上の義務ではありません。なお、毎年規定額支給することが決まっている「テト賞与」については、13ヶ月目の給与として賞与ではなく給与扱いになるのが一般的です。一般的な「賞与」を支給する場合には、賞与規則を作成し、労働者に対して周知、閲覧供与する必要があります(労働法104条2項)。 休業中の給与の支払い額については場合によって変わります(労働法99条)。具体的には、①使用者の故意過失を原因とする休業の場合は給与の全額、②労働者の故意過失を原因とする休業の場合は休業の原因を作った労働者は無給でその他の労働者は合意した金額、③会社に帰責性のない事故や天災などの場合は合意した金額になります。③会社に帰責性のない事故等の場合、休業してから15日目以降の休業分の給与については最低賃金以下で合意することができます(②労働者の故意過失を原因とする休業の場合には最低賃金以下で合意することはできません)。 給与からの天引きについては、会社の備品等を破壊したことに対する損害賠償についてのみ給与からの天引きが可能です。   (9)異動 会社は、原則として労働契約で定めた就業場所で労働者を勤務させなければなりません。労働者を異動させるには、下記の要件をいずれも満たす必要があります(労働法29条1項)。 ・天災等の不可抗力事由または「経営上の理由」 ・同意がない場合には年間で60営業日を超えないこと なお、「経営上の理由」については、想定される場合を就業規則に具体的に規定しなければなりません。このような要件により一時的な異動しかできないため、部署異動については一般的に労働契約の修正を行って再度合意を行うことがほとんどです。   (10)懲戒 懲戒の種類としては、①譴責、②給料の最高6ヶ月間の据え置き、③降格、④解雇のみであり、これ以外の形態の懲戒処分は違法無効になります(例:減給処分や停職処分などをすることはできません)。 また、懲戒事由は就業規則に定めておかなければ適用することができません。療養休暇中や使用者の同意による休暇中の労働者、妊娠中もしくは出産休暇中の女性労働者または12ヶ月未満の子供を養育中の労働者についても懲戒処分をすることができません。 さらに、懲戒手続を取るためには、以下のように法定の聴聞手続を経なければなりません。 ・聴聞会の時間と場所、対象従業員の氏名、違反の内容を通知する ・聴聞会を開催する。 ・聴聞会が終了する前に聴聞会の議事録を作成、承認を受ける。 懲戒処分の手続に違反した場合、懲戒処分が無効となり、将来的に解雇の無効を争われるという事例が多いため、手続きは遵守すべきです。   (11)労働災害 以下の①〜③の要件を満たす者は、労働災害の対象者となります。 以下の事故等に遭遇した者 職場及び労働時間中に発生した事故、雇用主の指示に従って業務を行い職場以外または労働時間外に発生した事故、出退勤中に遭遇した事故(適切な時間、適切なルートを選択していた場合) ①の事故により、労働能力が5%以上喪失した者 当該事故が以下の原因に基づかないこと 業務に関係しない喧嘩、労働者が故意に自己の健康を害した、麻薬等の薬物の使用、その他通達に規定する場合   (12)労働組合費 労働組合の有無にかかわらず、会社は労働組合費を支払わなければなりません。具体的には、労働者一人当たりにつき給与から社会保険料を差引いた金額の2%にあたる金額を納付しなければなりません(使用者負担分)。社内労働組合を設置する場合、労働者一人につき1%が給与から控除されます(労働者負担分)。   (13)健康診断 会社は、毎年少なくとも一回は労働者に健康診断を受けさせなければなりません (14)兵役 18歳から25歳までの男子は、兵役の対象となり、24ヶ月間の兵役に行く可能性があります(大学等に進学したことで兵役を延期した者は27歳まで)。 労働契約の履行の一時停止事由にあたり、賃金を支払う必要がないものの、労働契約の終了事由や懲戒事由には当たらないため、会社は労働契約を解除することはできません。   (15)ストライキ ストライキの手続きは煩雑ですが、実際にはベトナムのストライキのほとんどが法定の手続きを経ずに行われています。ストライキに参加した労働者に対する給与の支払い義務はありませんが、ストライキのために就業できなかった他の労働者に対しては、給与の支払い義務があります(労働法218条)。  
法務
2024/03/18

ベトナム労働法の徹底解説【第1回;特徴・採用~労働契約の終了】

ベトナム労働法の徹底解説【第1回;特徴・採用~労働契約の終了】
ベトナム労働法の特徴 労働者保護が手厚い 社会主義のベトナムでは労働者が基礎となっているため、労働者保護が非常に手厚いです。雇用者側の都合で労働者を解雇することは会社の清算の場合以外には事実上非常に難しい状況にあり、労働者との個別の合意に基づいて労働契約を終了せざるを得ないことがほとんどです。有期契約の更新も1回に限られているほか、パートタイムの労働者についても無期契約の社員とほとんど同様の保護が与えられます。 ただ、後述の通り、使用期間後の解雇や有期契約の更新時点での雇い止めについては基本的に自由なので、無期契約を締結する前の試用期間や有期契約の期間で労働者を見極めることが非常に重要になります。   判例がほとんど公開されておらず、行政機関との交渉が重要 ベトナムでは判例がほとんど公開されておらず、また行政機関の法令の運用も場所によって異なることが多いです。そのため、行政当局の指導に従う必要が出てくる場合も多々あります。ただ、そのような指導と政府や省の方針が食い違っているようなケースもあるため、指導を鵜呑みにせずきちんと文書で確認したり、法令に基づいて反論したりすることが重要です。   採用、労働契約 労働契約書の締結義務 原則として、雇用開始前に、書面または電子的方式による労働契約を締結する義務があります。また、家政婦などの一定の場合を除き、1ヶ月未満の有期契約については口頭で締結することも可能です。内容としては、以下の内容を定めなければなりません(労働法21条1項)。 ・業務及び職場の場所 ・労働契約期間 ・業務または職名に従った賃金額、賃金の支払い方式、賃金支払時期、手当及びその他の補助 ・昇給、昇級制度 ・勤務時間 休憩時間 ・労働者に対する労働保護設備 ・社会保険、医療保険及び失業保険 ・職業能力の訓練、増強、向上に関わる事項   労働契約の種類 無期限契約と、36ヶ月以下の有期契約の2種類があります(労働法20条1項)。   労働契約該当性 契約の名称を問わず、職務、賃金及び一方当事者による管理・監督が規定された契約は労働契約とみなされます。   試用期間 契約の形式としては、労働契約とは別途試用契約を締結する方式のほか、労働契約の中に試用期間の条項を含める方式を採用することもできます(労働法24条)。 期間の長さについては法令上以下のように定められています(労働法25条)。明確な区別基準は示されていませんが、法定の試用期間を超えてしまった場合には400万〜1000VNDの罰金が課される可能性があるため、安易に長期の試用期間を設けることは避けるべきです。 職種 試用期間 企業法及び企業における生産・経営に投資する資本の管理・使用に関する法律に定める企業の管理者の業務 最大180日 短期大学10以上の専門・技術水準を要する職位の業務 最大60日 中級の専門・技術水準を要する職位の業務・技術を有するワーカー、専門的な業務を行う従業員 最大30日 その他の業務 最大6営業日 なお、試用期間中の給与は賃金の85%以上であること、1ヶ月未満の労働契約には試用期間が設定できないことにも注意が必要です。 試用期間の満了までに会社は正式に雇用するかどうかを候補者に通知しなければなりません(労働法27条)。ただし、かかる通知さえすれば基本的に自由に契約を解除することができます。   有期労働契約 有期契約については、一度の更新しか認められておらず(労働法20条2項c)、2回目の更新の際には無期限の労働契約となることに注意が必要です。もっとも、退職者、外国人労働者、労働契約期間が満了している労働組合幹部などには適用されず、また、日本と異なり有期労働契約更新時の雇い止めは自由に行うことができます。無期労働契約になった場合、会社側から当該労働者との契約を解除するためには、懲戒解雇を行うか一方的解除事由が必要となり、契約を終了させることは容易ではないので、無期契約へ移行するかどうかの判断は慎重にしなければなりません。 なお、多くのベトナム企業が、法令を無視して1年の労働契約を何回も更新している実態があります。中には解雇と再雇用を繰り返している企業もあります。しかし、このような取り扱いは違法であり、罰金に処せられる可能性がありますし、回数制限を超える労働契約は無期労働契約と扱われます。   パートタイム労働者 労働時間を除き、正社員の労働者と同様に取り扱わなければならない(労働法32条参照)とされています。   兼業 ベトナムでは、労働者は各労働契約上の義務を完全に履行できる限り複数の労働契約を締結する権利を有するとされており、労働者の兼業の権利が保障されています(労働法19条)。よって、労働契約や就業規則において兼業を禁止する条項を設けた場合は、ベトナム労基法違反となり、当該条項が無効とされる可能性が高いです。また、実務上、競業他社への就職禁止義務を労働者に課すことはできないと考えられています。   情報管理 営業上の秘密または技術上のノウハウに接する労働者については秘密保持契約を締結することが認められており(労働法21条2項)、秘密保持契約を従業員と締結しておくことが望ましいです。一方、その他の労働者についてはかかる契約が無効になる可能性があるため注意が必要です。 また、ベトナムにおける情報管理に対する意識は、日本に比べて相対的に低い上、転職を繰り返す者も多い(競業避止義務も基本的には認められないため競業他社への転職もある)ため、アクセス権の限定や教育の徹底など、情報漏洩リスクに対していかに対処するかが重要となります。   労働契約の終了 労働契約の終了事由 契約期間満了、契約に規定された業務の完了、両者の合意、裁判所の判決により懲役等または復職禁止の刑を受けたこと、労働者または個人である使用者が死亡したまたは行為能力の喪失の宣告や失踪宣告を受けたこと、個人でない使用者の事業活動終了、懲戒解雇、労働者による一方的解除事由(後述)、使用者による一方的解除事由(後述)、外国人労働者の追放、外国人労働者の労働許可失効、試用期間中のKPI未達または試用契約の解除などがあります。   労働者による一方的解除 労働者は理由不問で一方的な解除をすることができます。ただし、有期契約の場合は原則30日、無期契約の場合は原則45日の事前通知が必要になります。なお、給料未払いやセクハラなどのケースでは事前通知も不要です。   使用者による一方的解除 使用者は主に以下の場合などに契約の一方的解除をすることができます。 使用者が定めるパフォーマンス水準に繰り返し未達の場合(組合がある場合には水準について意見を聞く必要があります) 定年 労働契約の締結時に虚偽の個人情報を提供し、それが雇用判断に影響を与えた場合 連続5日以上、正当な理由なく無断欠勤   整理解雇 一定の場合には整理解雇は可能になっていますが、労働者代表機関との協議や省レベルの国家機関への報告など手続きが煩雑なため、日本企業が整理解雇をする例は多くないです。   定年 定年は2019年まで男性が満60歳、女性が満55歳でしたが、法改正によって、男性満62 際、女性満60歳に達するまで段階的に引き上げられることとなりました。

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