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2024/03/05

Webサイト制作コラム<第1回/Webサイト制作・リニューアル時の留意点まとめ>

Webサイト制作コラム<第1回/Webサイト制作・リニューアル時の留意点まとめ>
「ベトナムで国内向けの事業を推進していくことになり、Webサイトが必要になった。どうすればいいですか?」 ――弊社へのお問い合わせ内容のほとんどがこちらです。 結論から言えば、まずはWebサイト制作会社に相談し、できれば日本人の方からヒアリングを受けるなどしてご提案をしてもらってください。コミュニケーションをしっかりとりながら進めていけば、それなりに良いWebサイトが完成すると思います。 「ITのことはよく分からないし、Webサイトなんて今まで発注したことがない」 ――こちらもよく言われます。 発注に際してITの知識はほぼ不要です。営業提案書を作ると思ってご相談ください。 今回のコラムでは、その際に少しだけ頭に入れておくと発注の際の不安が解消するかもしれない話をしていきます。 5,6ページ前後、1~2言語の小規模Webサイトの場合、制作会社によっても変わりますが、日系企業なら大体以下のようになるのではないでしょうか。 仕様・要件の確認 原稿準備 Webデザイン(情報設計・レイアウト、静的な見た目) HTMLコーディング(動的な見た目、ページ遷移、アニメーション、インタラクティブな反応等) CMS実装(ニュースやブログ等、お客様側でコンテンツを更新できる機能の追加) テスト ドメイン・サーバー取得~Webサイト公開 工期3か月程度。5000USD~。 この内、特に注意すべき点は「(2)原稿準備」です。 原稿とは文章や画像等ですが、これらを発注者側で準備する場合、ここに最も時間がかかることが多いです。それ以外は制作会社のメイン工程のため、それほど手間にはならないと思います。そのため、Webサイト制作をすると決まったら、どのような文章や画像を見せていきたいか事前にまとめておくと良いと思います。 「自社や新規事業の認知浸透やブランディング」、「お問い合わせの増加」等で構いません。 それらを狙う時、まず明確にしておきたいのは、自社(商品)の強みや差別化のポイントと検索結果上の競合企業情報になります。元々それなりのニーズがある商品・サービスであれば、競合企業より良いサイトを作って上位表示されれば勝てる可能性が高まるからです。 しかし、「問い合わせが少ないのでデザインをリニューアルしたい」だとズレることがあります。デザインをリニューアルしても問い合わせが増えないかもしれないということです。問い合わせが少なかった理由はデザインが悪かったわけではなく、Webサイトを見たユーザーが少なかったからかもしれないですし、文章による訴求が足りなかったからかもしれないからです。 せっかく時間と費用をかけてWebサイトを制作するのでしたら、自社や事業、商品の情報の棚卸を少しおこなってから取り掛かると、効果の期待できるWebサイトが仕上がる可能性が高まります。そのために、まず最初に「R-STP-MM-I-C」を行いましょう。 「R-STP-MM-I-C」とは、現代マーケティングの父と言われるフィリップ・コトラー氏の提唱したフレームワークで、以下の略称となります。 戦略立案フェーズ R:Research(調査) ※マクロ環境分析(PEST分析等)、ミクロ環境分析(3C/SWOT分析等) STP:Segmentation(市場の分割)、Targeting(市場の選択)、Positioning(立ち位置) ※ペルソナ(ユーザー)/シナリオ法、カスタマージャーニーマップ等 戦術実行フェーズ MM:Marketing Mix(4P/4C分析等) I:Implementation(実施) C:Control(管理) 詳述は割愛しますが、弊社本社がこのフレームワークについて、簡単なワークシートを発行しています。自社のWebサイトを制作する前の戦略・戦術設計フェーズでご活用ください。 【経営支援ツール】チームではじめる!マーケティングトレーニング<ワークシート付> こちらを事前に自社のチーム内で議論しておくと、自社スタッフの方が自社の強みを言語化しやすくなり、Webサイトだけでなく広告出稿、営業提案書やプレゼンテーションなどでも活用できるので自社内での戦略浸透が楽になるかと思います。 戦略・戦術の大枠が決まってきたら、次は「キーワード選定」です。 Webサイトが完成した後、見込み顧客はどのようなキーワードでGoogle検索してWebサイトを発見するのか?をイメージしながら考えます。ターゲットが(在越)日本人なら日本語、ベトナム人ならベトナム語で検索して検索結果にどのようなWebサイトが掲載されているか確認してみましょう。制作会社に委託して「Googleキーワードプランナー」を使ってみても良いと思います。 ターゲットを顕在層(≒Wants)まで絞り込んだスモールワードは上位表示しやすいです。例えば「ベトナム メンズ脱毛」、「ホーチミン 浄水器」等です。逆に、潜在層(≒Needs)向けで競合が多く、大規模情報サイトやニュース記事と競合するようなビッグワードだと上位表示が難しくなります。「ベトナム 人材紹介」や「ベトナム 会計税務」等です。 「コンテンツ(Contents)」とは「中身」という意味ですが、Webサイト以外でも使われる言葉です。Webサイトであれば「文章(キャッチコピー)、構成」「画像」「動画」「イラスト(図解)」「メルマガ」等を指します。先ほど選定したキーワードをフィーチャーしたようなコンテンツを想像していきます。 皆さんもWebサイトにアクセスして情報を得ようとした時、「内容が分かりやすかった」「商品やサービスに魅力を感じた」「良い会社だと思った」と感じたことはありませんか?それはもしかしたら情報発信側がそのように思ってもらえるようにコンテンツを工夫して掲載しているからかもしれません。 「当社の製品は安くて品質が良い。だから買ってください!」と書いても初見のユーザーにはなかなか魅力が伝わりません。それをどのようなコンテンツを組み合わせて伝えるか?「コンテンツマーケティング」を端的に説明するならばそのようになるでしょう。 御社で「採用サイト」を作ることになったとしましょう。先のコンテンツ(文章や画像や動画)を組み合わせます。文章や画像等の各素材の品質も重要ですが、「見せ方」も重要です。 例えば「ある先輩社員の一日」「数字で見る〇〇(自社名)」などのコンテンツをヴィジュアル化、数値化することで、入社希望の候補者へ訴求できたり共感を得られたりすることもあるでしょう。さらにそれをデザイン化する際にスライドショーで見せたり、動画で見せたりと工夫もできます。競合企業のWebサイトをよく観察した上で、こうしたアイデアを社内で議論しても良いですし、制作会社に相談して意見交換し合っても良いと思います。 Webサイト完成後、公開する際に必要になります。 自社で管理するのか、Web制作会社に委託するのか、こちらも考えておく必要があります。 こちらはまた別の機会にご説明します。 Webサイトは完成したら終わりではありません。むしろそこからが真の開設目的になります。 問い合わせ管理、SEO(検索エンジン最適化)、アクセス解析、コラム執筆運用――、特に多言語版サイトで、日本人担当者とベトナム人担当者が入れ替わりで作業する場合、どのような方針で行っていくか社内担当者間で合意は取れていますか? こちらもまた別の機会にご説明します。 Webサイトにもセキュリティ対策が必要です。 Web制作会社に求めるべきこと以外に、自社内でのセキュリティ意識向上も重要です。 こちらもまた別の機会にご説明します。 Webサイト制作会社に委託して制作した場合、納品後は自社の無形固定資産、自社ブランド、コンタクト(タッチ)ポイントの一部になります。制作会社によっては保守契約などをしている場合もあると思いますが、あくまでもWebサイトの運営責任者はユーザー企業となります。万が一のトラブルが発生した場合、御社の顧客から見れば制作会社の是非は話題になりにくいです。ですので、Webサイトを発注する時は発注前から納品前の検収までを重要なプロジェクトの第1フェーズと捉え、当事者意識を持って臨む気持ちと行動が重要になります。 当然、弊社の場合もそのような構図や責任を自社スタッフ向けには説明し、「(Product liabilityの観点で)開発・制作者の責任は重い」と発信し続けて参りました。 このような背景から、弊社ではお客様と共に常に情報交換しながら、疑問や相談などをハッキリと言い合えるような関係を築いていきたいと考えています。   以上、ベトナムでWebサイト制作をお考えの際、何となく頭に入れておいて頂けると良いかと思うことを書きました。ご参考頂ければ幸いです。

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